済州は生物の多様性を保全する意味で大変重要な役割を担っています。韓国産の管束植物の約半分と200種余りの韓国特産種が済州に分布しており、絶滅の危機および保護野生種の約2分の1が済州に分布しています。漢拏山(ハルラサン)の頂上部には、氷河時代に南下した寒帯性植物種が棲息しており、低地帯などにも多くの固有種と絶滅危機種が棲息しています。特に漢拏山は生態系の宝庫として植物全1,565種と動物1,179種が自生しています。
2007年6月27日ユネスコ委員会は済州の側火山(寄生火山)と世界的な規模の溶岩洞窟、多様な貴重生物および絶滅危機種の棲息地としての貴重性と優れた外的条件を認定し、「済州・火山島と溶岩洞窟(Jeju
Volcanic Island and Lava
Tubes)」として世界自然遺産に選定しました。 済州・火山島と溶岩洞窟は、大きく分けて漢拏山自然保護区域と城山日出峰(ソンサン
イルチュルボン)、拒文岳(コムンオルム)溶岩洞窟系の3つの地域に分けられ、拒文岳、ペンディ窟、万丈(マンジャン)窟、金寧(キムニョン)窟
、龍泉(ヨンチョン)洞窟、タンチョムル洞窟など、側火山(寄生火山) 1つと溶岩洞窟5つを含みます。 |
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漢拏山地域保護区域
漢拏山は1950メートルで韓国で最も高い山です。火山活動によって生成されたゆるやかな傾斜が見られますが、頂上付近は粘性が高い粗面岩で成り立っているため傾斜が大変険しくなっています。多様な動・植物が棲息しており、多数の絶滅危機種の棲息地も見られます。周囲に360の寄生火山が作り出す独特で神秘的な景観と優れた学術的価値で1970年に韓国の国立公園に指定され保護を受けています。
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城山日出峰
城山日出峰は済州に分布する360の側火山(寄生火山)中ひとつで、水中で生成された特異な寄生火山です。約5000年前浅瀬で火山が噴火して作られた噴火口で、高さ182メートルのこの噴火口は本来島でしたが、砂と砂利が積もって陸地とつながりました。日が昇る丘とも呼ばれる城山日出峰は一年を通して日の出見物のために世界中から観光客が訪れる済州の代表的な観光スポットのひとつです。
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拒文岳・溶岩洞窟系
拒文岳・溶岩洞窟系は、今から約10~30
万年前に最も大きい噴火口である拒文岳から噴出した溶岩でできた幾つかの溶岩洞窟を言い、この洞窟系で世界自然遺産に選ばれた派生洞窟は、ペンディ窟、万丈窟、金寧窟、龍泉洞窟、タンチョムル洞窟です。
拒文岳・溶岩洞窟系で最も規模が大きい溶岩洞窟は万丈窟で、世界的な長さと規模を誇ります。万丈窟と金寧窟は長さだけでなく通路の規模でも最高のレベルで、ペンディ窟は迷路型の洞窟として世界で最も複雑な形態を見せています。
また他の洞窟は海岸低地帯にある龍泉洞窟とタンチョムル洞窟で、タンチョムル洞窟は規模が非常に小さい洞窟ですが、洞窟内で発見された石灰質の洞窟生成物は他では見られない最高の美しさを誇り、龍泉洞窟の規模と洞窟生成物は素晴らしい景観を見せています。
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<龍泉洞窟>
*済州火山島と溶岩洞窟は世界自然遺産の選定基準中「最上の自然現象または優れた自然美と美学的重要性を持った地域を含まなければならない」という基準と「生命の記録、地形の発達において重要な地質学的進行過程、または地形学や自然・理学的側面の重要な特徴を含み、歴史において主要な段階を立証する代表的事例でなければならない」という基準を充たすという理由により世界自然遺産に選ばれました。 |
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