 |
8万余りの文字を木板に刻んだ印刷本 |
高麗大蔵経板と諸経板は仏教経典を漢字で刻み込んだ、現存する世界唯一の木版本です。主な内容は仏教の経典である「大蔵経」で、仏教の釈迦牟尼が一生の間に伝えた教えや戒律(仏教で守らなければならない規則)、後代の人々が添えた理論や説明などが全て盛り込まれています。高麗時代(918~1392)に刻まれたため、「高麗大蔵経」、あるいは8万枚余りの量があるため「八万大蔵経」とも呼ばれています。
|

|
世界で最も古く完璧な仏教経典 |
慶尚南道陜川郡にある海印寺の蔵経板殿(蔵経板保管用の建物)に所蔵されている高麗大蔵経板は、1236年から1251年にかけて完成されました。高麗大蔵経板は、当時の経典を全て照らし合わせて校正、添削、配列したもので、仏教文献の中で最も優れた木版印刷技術に数えられます。それ以降に日本や中国、台湾で刊行された大蔵経のほとんどが海印寺の高麗大蔵経板をもとに作られています。海印寺の蔵経板殿には、高麗大蔵経板81258板以外にも、1098年から1958年までの長い時間をかけて製作された仏教の経典や歴史、研究論文、版画などを刻んだ5987枚の諸経板が保管されています。
高麗大蔵経板は初期木版製作技術の貴重な資料として評価を受けており、経板の表面には漆塗りがなされ、文字は760年が過ぎた今でも印刷ができるほどです。
計87000枚余りの高麗大蔵経板と諸経板は、アジア地域に存在する仏教経典の内容をほぼ全て盛り込んだ膨大な量の記録であり、内容だけでなく保存状態も素晴らしく、2007年6月、ユネスコ記録遺産に登載されました。
|
<インフォメーション> |
|
☞ 「海印寺蔵経板殿」インフォメーションはこちら
☞ 「海印寺」インフォメーションはこちら
|
|